スマホに「FBI公式番号」と出ても本人確認にはならない 最新なりすまし事例で学ぶ“確認経路を分ける”方法
2026年8月19日、FBIボストン支局は、実際のFBIボストン支局の代表番号を発信者番号として表示させる新たな政府機関なりすまし詐欺を警告しました。報告された手口では、まず金融機関を名乗る人物が「あなたの情報で違法な銃器購入用の口座が作られた」と不安をあおり、続いてFBI捜査官を名乗る人物へ電話を転送します。その後いったん電話が切れ、FBIボストン支局の本物の代表番号に見える番号から再び着信し、偽の氏名やバッジ番号を提示して、暗号化メッセージアプリへ移動するよう求めるケースが報告されています。FBIは、発信者番号は偽装できるため、表示された番号を本人確認の証拠にせず、一度通話を切り、自分で調べた公式番号から組織へかけ直すよう案内しています。AI生成音声や動画が高度になる時代ほど、「見た目や声が本物らしいか」ではなく、「相手とは別の経路から確認したか」が重要になります。
- 知らない番号からの電話を受ける人
- 銀行や行政機関からの連絡をスマートフォンで確認する人
- 家族の詐欺対策をサポートする人
- AI音声やディープフェイクによるなりすましが気になる人
- 電話・SNS・メッセージアプリを仕事で利用する人
電話、音声、動画、表示番号、身分証などが本物らしく見えても、それらが相手自身から提供された情報なら独立した本人確認にはなりません。重要な依頼を受けた時は一度連絡を切り、自分で取得した公式連絡先から確認してください。
身近な事例を知る
「本当にFBIです」と言われ、スマホを見ると検索で確認したFBIの代表番号と同じ番号が表示されていた
電話の相手は捜査官名とバッジ番号まで伝え、「あなた名義の口座が犯罪に使われているので、この件は秘密にしてください」と説明します。スマートフォンに表示された番号を検索すると、本当にFBIボストン支局の代表番号と一致しました。その後、安全な連絡のためとして暗号化メッセージアプリへ移動するよう求められます。しかしFBIが2026年8月19日に発表した最新の警告では、まさにこの代表番号が発信者番号偽装に使われた事例が報告されています。
あなたならどうする?
まず一つ以上選んでから確認してみてください。
推奨される行動- 一度切り、自分で公式サイトなどから取得した番号へかけ直す
選んだカードの表示を見ながら、今回はどの行動が安心につながるか確認できます。
FBIは、今回報告された詐欺で実際のFBIボストン支局の代表番号が発信者番号として偽装されたとしています。FTCとFCCも、発信者番号は偽装できるため、表示された番号だけを信用しないよう案内しています。本人確認では、相手から教えられた番号やリンクを利用せず、一度連絡を切り、自分で公式サイトや公的資料から調べた連絡先へアクセスすることが重要です。
確認ポイント
発信者番号を本人確認として使っていないか
スマートフォンに表示された電話番号が実在する組織の番号と一致していても、その番号が偽装されている可能性があります。
相手が提示した情報だけで確認を完結していないか
氏名、部署名、バッジ番号、事件番号、公式ロゴなどを複数提示されても、それらがすべて相手側から出た情報なら独立確認にはなりません。
「一度電話を切らせない」状況になっていないか
詐欺では、利用者が家族や公式機関へ確認する時間を作らないため、通話継続や秘密保持を求めることがあります。
暗号化メッセージアプリへの移動を求められていないか
FBIボストン支局は今回の警告で、FBIが一般市民に対し、逮捕回避などの目的で暗号化アプリへ移動するよう求めることはないとしています。
恐怖と緊急性が同時に使われていないか
「犯罪に関与している」「逮捕される」「今すぐ対応が必要」といった説明は、確認する時間を奪うための典型的な社会工学的手法です。
AI生成物を見抜くことだけに集中していないか
FBIは別の警告で、AI生成動画や音声もなりすましに利用されているとしています。しかし生成物が本物か偽物かを目視だけで判断するより、別経路で本人確認する方が確実です。
相手が教えた番号へかけ直していないか
「確認したければこの番号へ」と言われた番号も攻撃者が管理している可能性があります。公式サイトなど独立した場所から連絡先を取得します。
金銭だけを詐欺の目的だと思っていないか
政府機関なりすましでは、送金だけでなく、銀行情報、個人番号、認証情報、端末へのアクセスなどを狙う場合があります。
現時点での見立て
FBIが2026年8月19日に警告した事例では、詐欺師は単に「FBIです」と名乗るだけではなく、実在する代表番号の発信者番号表示、偽の捜査官名、偽のバッジ番号、犯罪に関する緊迫したストーリー、暗号化メッセージアプリへの誘導を組み合わせています。さらにFBIは別の2026年の警告で、AI生成動画や音声も政府機関なりすましに利用されていると説明しています。こうした環境では、声や映像の不自然さを探す方法だけでは限界があります。「一度切って、自分で公式窓口へアクセスする」という確認方法なら、AI生成物の品質がさらに高くなっても有効です。
安全な対処方法
安心につながる行動
- 政府機関・銀行・警察を名乗る重要な電話はいったん切る通話を切ることで、相手が作った会話の流れから離れ、独立確認する時間を作れます。
- 公式サイトや契約書から自分で電話番号を調べる着信履歴や相手から教えられた番号を使わなければ、攻撃者とは別の確認経路を作れます。
- 表示番号ではなく「自分から公式番号へ発信した事実」を確認材料にする受信時のCaller IDは偽装される可能性がありますが、自分で取得した正しい公式番号へ発信することで確認経路を分離できます。
- 「秘密にしてください」と言われた時ほど第三者へ相談する家族、職場、金融機関などへ相談することで、詐欺師が作った閉じた情報環境から離れられます。
- AIには通話内容の整理や危険サインの抽出を頼むAIへ「金銭要求・秘密保持・緊急性・外部アプリへの移動などの危険サインを整理して」と頼めば、落ち着いて状況を確認する補助に使えます。
- 本人確認用の質問より、本人確認用の経路を変える実在人物の所属や役職などは公開情報から調べられる場合があります。質問に正答したことより、公式窓口から本人へつながったことの方が強い確認になります。
- 被害が疑われる場合は金融機関や公式窓口へ早く連絡する送金や口座情報の提供をしてしまった場合でも、早い段階で金融機関や警察などへ相談することで対応できる可能性があります。
避けたい行動
- 検索した公式番号と着信番号が一致しただけで本人だと判断する発信者番号表示は偽装できます。今回のFBI警告でも実際の代表番号が偽装されています。
- バッジ番号や事件番号を言えたので本物だと判断するそれらの情報自体を詐欺師が作成している可能性があります。
- 相手から渡されたURLや電話番号を本人確認に使う確認先まで攻撃者側が用意していれば、確認したつもりでも同じ相手へ戻ってしまいます。
- AI音声やディープフェイクの違和感を見抜けた時だけ詐欺と判断する生成技術の品質は向上しており、FBIもAI生成物は見分けにくくなっていると注意しています。
- 暗号化アプリだから安全な相手だと思う暗号化は通信方式の安全性であり、会話相手の本人性を証明するものではありません。
- AIに電話番号を入力して「この人は本物?」と判定させるAIは現在電話している人物の正体を確認できません。公開情報との一致と本人確認は別です。
- 政府機関からの電話はすべて詐欺だと決めつける実際の機関から連絡が来る場合もあります。重要なのは受信した電話を信用するかではなく、公式経路から確認し直すことです。
AIの前向きな活用
AIを「声の鑑定士」ではなく「詐欺の会話を分解する補助員」にする
AIへ音声や電話番号を渡して「本物ですか」と最終判定させるより、会話の中で何を要求されたかを整理させる使い方が向いています。例えば通話後に内容をメモし、「恐怖をあおる表現」「秘密保持の要求」「金銭や個人情報の要求」「別アプリへの移動」「相手自身が提示した本人確認材料」を分類させることができます。その後、人間が公式窓口へ独立して確認すれば、AIの情報整理能力と強い本人確認を組み合わせられます。
- 通話内容を匿名化してAIへ渡し、危険サインを一覧化する
- 「相手自身から出た情報」と「第三者から独立確認できた情報」を分けてもらう
- 公式機関へ確認する時に聞くべき項目を整理してもらう
- 家族向けに「怪しい電話を受けた時の3ステップ」をAIと作る
- 電話後のメモから時系列を整理して、警察や金融機関へ説明しやすくする
- 複雑な詐欺の説明をAIに短く整理させ、本人確認そのものは公式窓口で行う
今回、覚えておきたいこと
本物らしさを確認するより、相手とは別の道から本人確認する。
情報源
- FBI Boston Warns of New Agent Impersonation Scam Spoofing FBI's Phone Number Before Urging Victims to Switch to Encrypted Application(外部リンク) Federal Bureau of Investigation 官公庁
- FBI Warns of Scammers Impersonating the IC3(外部リンク) FBI Internet Crime Complaint Center 官公庁
- How To Avoid a Government Impersonation Scam(外部リンク) Federal Trade Commission 官公庁
- Caller ID Spoofing(外部リンク) Federal Communications Commission 官公庁
誠主任からひとこと