「検索したら高評価レビューもニュース記事も出てきた」それでも詐欺かもしれない AIが作る“偽の裏取り材料”

2026年8月17日、オーストラリアのABC Newsは、ASIC(オーストラリア証券投資委員会)が公表した最新データとして、過去12か月にオンライン上の詐欺を19,400件以上削除し、前年より182%増加したと報じました。ASICは、AI生成の政治家・著名人ディープフェイクを入口に、偽ニュース記事、偽レビュー、偽の投資サイトまで組み合わせる投資詐欺が増えていると警告しています。 特に厄介なのは、怪しい投資名を検索すると、複数のサイトや記事が同じサービスを褒めているように見えることです。しかし、それらが独立した第三者情報ではなく、詐欺グループ自身がまとめて作った“偽の裏取り材料”である可能性があります。ASICは以前から、生成AIを使った偽の著名人広告、偽ニュース、プロ仕様に見える投資サイトなどを詐欺の主要手口として挙げています。 Scamwatchも、AIを使った著名人の偽広告や偽ニュース、架空の取引画面、少額の引き出しで信用させる手口について注意を促しています。 AI時代の確認では「検索結果が何件あるか」より、「その情報源は詐欺業者から独立しているか」を見ることが重要です。

  • SNS広告から投資・副業サービスを知る人
  • ネット検索で会社や投資サービスの安全性を確認する人
  • AI生成の動画や広告を見る人
  • 家族の投資詐欺対策を考えている人
  • 生成AI時代の情報確認方法を知りたい人
確認レベル 5 検索結果の外にある独立情報で確認
危険度ではなく、必要な確認の程度を表しています。

投資・副業・金融サービスを確認する際は、SNS広告、検索結果、レビューだけで完結せず、規制当局の登録情報、自分で取得した公式連絡先、金融機関など、相手が自由に作れない独立した経路から確認してください。

Step 1

身近な事例を知る

SNSで有名な経済評論家が「政府公認のAI投資サービス」を紹介する動画を見つけた

動画は自然で、リンク先には有名ニュースサイト風の記事があります。さらにサービス名を検索すると、「利用者の評判」「投資レビュー」「高収益を紹介するブログ」まで複数表示されました。「ここまで情報があるなら本物だろう」と思いたくなります。しかしASICが2026年8月17日に示した最新の注意喚起では、詐欺師が著名人のAIディープフェイクをSNS広告に使い、そこから偽ニュース記事、偽投資サイトへ誘導し、複数の偽情報を“社会的証明”として組み合わせる手口が報告されています。

Step 2

あなたならどうする?

SNSで見つけた投資サービスを検索すると、好意的なニュース記事やレビューが何件も出てきました。次に確認すべきことは?
Step 3

確認ポイント

優先して確認

最初の入口がSNS広告ではないか

Scamwatchは、著名人を使った偽ニュースや広告を投資詐欺の代表的な警告サインとして挙げています。

優先して確認

有名人の顔や声だけを本人確認に使っていないか

Scamwatchは、AIで著名人や政治家の映像・音声を偽造し、投資や商品を推薦しているように見せる手口を案内しています。

優先して確認

検索結果が本当に独立した情報源か

ASICの最新注意喚起では、偽広告、偽ニュース、偽レビュー、投資サイトなど複数の情報を組み合わせ、信頼できるように見せる手口が問題になっています。

優先して確認

ニュース記事のドメインを確認したか

有名メディアと似たデザインでも、URLが公式サイトと異なる偽ニュースページの場合があります。ページの見た目よりドメインを確認します。

優先して確認

投資会社や担当者を公的登録で確認したか

Scamwatchは、金融商品や助言を提供する人物のライセンスや登録、会社の住所・連絡先などを確認するよう案内しています。

優先して確認

登録番号だけを信用していないか

ABCが報じたASICの最新警告では、詐欺サイトが実在企業の金融サービスライセンスを流用することもあるため、ライセンスの名称と実際の投資サービスが一致するか確認する必要があるとされています。

優先して確認

最初は少額を引き出せたから安全と思っていないか

Scamwatchは、信用させるために少額の引き出しを許可した後、大きな資金を入れさせ、最終的に出金できなくする手口を説明しています。

優先して確認

短時間で投資を決めるよう急かされていないか

Scamwatchは「今すぐ」「機会を逃す」といった圧力を投資詐欺の代表的な特徴として挙げています。

Step 4

現時点での見立て

確度は高めAI時代は「情報がたくさんある」こと自体が信用の証拠ではなくなる

今回の事例で重要なのは、ディープフェイク動画そのものだけではありません。ASICが警告しているのは、動画、偽ニュース、レビュー、投資サイトなどを組み合わせて“本物らしい情報環境”そのものを作れるようになっている点です。 ただし、だからインターネット検索が役に立たなくなったわけではありません。検索は怪しい点や会社名を調べる入口として便利です。その上で、金銭に関わる判断だけは公的登録や自分で確認した連絡先など、サービス提供者が操作しにくい情報へ一段外側に移る。AI時代の裏取りは「何件見たか」より「独立した情報源を見たか」が重要になります。

Step 5

安全な対処方法

安心につながる行動

  • 投資サービス名を検索した後、公的な登録情報でも確認する検索結果とは独立した情報源を追加することで、詐欺師が作った偽の情報群だけを見て判断することを避けられます。
  • 登録された会社名と、実際に勧誘しているサービス名を照合する実在する企業やライセンス番号をコピーして信用させる詐欺もあるためです。
  • 公式組織へ連絡する場合は、自分で調べた電話番号や公式サイトを使うScamwatchは、相手が提示した連絡先ではなく、自分で見つけた連絡先から本人・組織を確認するよう推奨しています。
  • ニュース風の記事は媒体名だけでなくドメインを見る偽ニュースサイトは有名媒体のレイアウトやブランドを模倣できるため、ページの外見だけでは確認になりません。
  • AIに「独立して確認すべき項目」を整理させる生成AIを真偽判定機としてではなく、「ライセンス、会社名、住所、ドメイン、著名人の公式発言」など確認項目を整理する補助として使えます。
  • 投資前に一晩置く詐欺では緊急性やFOMOを利用することが多く、時間を置くことで追加確認をしやすくなります。Scamwatchも急がず確認するよう案内しています。
  • 送金してしまった場合はすぐ金融機関へ連絡するScamwatchは、詐欺被害が疑われる場合は銀行やカード会社へ迅速に連絡し、追加被害を防ぐよう案内しています。

避けたい行動

  • 検索結果が10件あるので10人が評価していると思う複数サイトが同じ詐欺グループによって作成・管理されている可能性があります。
  • ニュースサイト風なので本物の記事だと思うASICは以前から、有名メディアを模倣した偽ニュースページとAI生成の著名人推薦を投資詐欺の手口として挙げています。
  • ディープフェイクを見抜ければ詐欺を防げると思う動画が自然すぎて判断できない場合でも、投資会社の登録、ドメイン、連絡経路など別の確認方法があります。
  • ライセンス番号が掲載されているだけで安全と判断する実在企業の登録情報を無断使用するなりすましもあるため、会社名やサービス内容との一致まで確認します。
  • 最初の出金が成功したので追加で大金を入れるScamwatchは、小額の引き出しを許可して信用を作った後に追加投資を促す手口を説明しています。
  • AI生成広告があるからSNS広告は全部危険だと思う正規企業もSNS広告を利用します。広告であること自体ではなく、広告の外にある独立情報で確認できるかを見る方が実践的です。
  • 別のAI検索結果が同じことを言ったので裏取り完了とする複数のAIが同じウェブ上の偽情報群を参照すれば、同じ誤った結論へ到達する可能性があります。
Step 6

AIの前向きな活用

AIを「安全判定機」ではなく「情報源のつながりを調べる鑑識助手」にする

生成AIは、投資広告そのものを見て「詐欺です」「安全です」と最終判定させるより、裏取りの設計を手伝わせる方が便利です。例えば広告、ニュース記事、レビュー、会社サイトのURLを並べ、「これらは本当に別々の情報源か」「確認すべき会社名、ドメイン、登録番号を一覧にして」と頼めます。その後、公的な登録簿や本人の公式サイトを人間が確認します。AIで大量情報を整理し、独立した一次情報で最後を確認する。この組み合わせなら、生成AIによって偽情報の量が増えても、生成AIそのものを情報整理側へ活用できます。

  • 複数サイトの運営会社・ドメイン・連絡先を一覧化してもらう
  • 広告に登場する著名人の名前と主張を抽出し、公式発言を探すための検索語を作ってもらう
  • 投資会社名、サービス名、ライセンス番号が一致しているか確認項目を作る
  • AIへ「この5つの情報源のうち、相互に独立しているか確認する方法を教えて」と聞く
  • 怪しい広告から判断に必要な事実だけを抜き出してもらう
  • 調査結果を「確認済み・未確認・相手側の主張」の3種類へ整理する
誠のアイコン

誠主任からひとこと

以前なら、「怪しかったら会社名を検索してみましょう」はかなり有効な助言でした。今でも有効です。ただ、そこで終わらせない方がよくなってきました。今回の事例では、詐欺師が広告だけでなく、検索した時に見つかるニュース記事やレビューまで用意している。つまり、私たちが裏取りに使う“景色”そのものを作ろうとしているんですね。こうなると大切なのは情報の数ではなく、情報同士の独立性です。同じ人が作ったサイトを10個読んでも、裏取りは10回ではなく実質1回です。AIによって偽物を作りやすくなった一方、公的な登録簿や自分で見つけた公式連絡先まで偽物になるわけではありません。検索をやめるのではなく、最後に一歩だけ検索結果の外へ出る。そこを習慣にしたいですね。

今回、覚えておきたいこと

検索結果が10件あっても、同じ詐欺師が作った10件なら「裏取り10回」にはならない。

情報源

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