EUのAI苦情窓口は、何でも匿名で通報できるフォームではない
欧州委員会は2026年10月6日更新の案内で、AI Act Complaints ToolとAI Act Whistleblower Toolの対象・提出方法を説明しています。一般の苦情フォームはAI Officeの専属管轄にあるAIシステムが対象で、本人情報と連絡先が必要です。一方、職業上AI事業者と関係する適格者向けの内部通報窓口は匿名の連絡に対応します。EUの制度であり、日本国内のあらゆるAIトラブルを受け付ける万能窓口ではありません。
- EUに関わるAIサービスの問題を申し立てたい人
- AI Actの相談先を調べる人
EUのAI苦情と内部通報は、管轄・提出者の立場・匿名性を確かめて使い分ける。
身近な事例を知る
EUに関わるAIの問題を見つけ、欧州委員会へ知らせたい
検索で苦情フォームと内部通報フォームが見つかり、匿名で送れる方を選ぼうとしています。
あなたならどうする?
まず一つ以上選んでから確認してみてください。
推奨される行動- 問題の管轄と自分の立場を確認し、苦情か内部通報かを選ぶ
選んだカードの表示を見ながら、今回はどの行動が安心につながるか確認できます。
EUのAI苦情と内部通報は、管轄・提出者の立場・匿名性を確かめて使い分ける。
確認ポイント
一般の苦情の範囲
苦情はArticle 85の範囲かつAI Officeの専属管轄のAIシステムに関するものが対象です。他のEU法・国内法の違反などはこのフォームの対象外です。
苦情は匿名ではない
苦情提出には本人・連絡先情報が必要です。秘密に扱われることと匿名で提出できることは別です。
発生国と具体的な説明を用意
必須項目に加え、発生国、違反の疑いの詳細を記載します。関連資料を添付でき、EUの公用語で提出できます。送信後の照会に使う受付番号を保存します。
内部通報は職業上の関係が条件
内部通報はGPAIモデル提供者、またはAI Office管轄のAIシステム提供者と職業上関係する個人が対象です。安全な受信箱で匿名の追加質問に応答できます。
対象外の問題は窓口を再確認
一般の苦情の対象外にはArticles 53〜55の違反なども含まれます。GPAIを組み込む下流提供者向けには別の申立て経路があります。一般消費者用と混同しません。
現時点での見立て
二つの窓口は匿名性だけでなく、対象と利用者の条件が異なります。
安全な対処方法
安心につながる行動
- フォームを開く前に対象AIと問題が管轄に入るか確認する対象外の窓口へ送って解決したと思うことを防げます。
- 発生国・問題の詳細・関連資料を整理する苦情の評価に必要な情報を伝えるためです。
- 提出後の受付番号を保存するAI Officeとの追加の連絡に使います。
避けたい行動
- 秘密に扱われる苦情を匿名と考える苦情フォームは本人情報を必要とします。
- EUの窓口を日本の一般相談窓口として案内する適用制度と対象範囲が異なります。
AIの前向きな活用
対象の窓口へ、評価できる情報を届ける
該当するEUの事例で、立場と管轄を確認したうえで適切な手続きへ進みます。
- 発生国と具体的な事実を整理
- 匿名通報の適格条件を確認
- 受付番号で追加照会
今回、覚えておきたいこと
EUのAI苦情と内部通報は、管轄・提出者の立場・匿名性を確かめて使い分ける。
情報源
- AI Act Complaints tool(外部リンク) European Commission 公式発表
- AI Act Whistleblower Tool(外部リンク) European Commission 公式発表
誠主任からひとこと